゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
私はその逞しい背中を見つめていた。
今の私が男の子と並んで歩くなんて考えられなかった。
高原先輩は…嫌な顔をせず、一緒に歩いてくれた。
先輩…どんな思いで私と一緒にいたんだろう。
そんな事を考えてた。すると…
「杏っ。」
え?呼ばれたと思ったら、高原先輩が5mくらい先で立ち止まり、こちらを振り向いていた。
私が何だろうと思いながら、先輩を見ていると…
「キャッチしろよ?」
「え?」
――――――――ヒュッ。
なにを?なんて考える暇もなく、先輩が私に何かを投げた。
それを胸の前でなんなくキャッチする。
先輩コントロールいいな…。
キャッチした手を開いてみると、
そこにはピンクに白の水玉模様の包み紙で可愛いまん丸のキャンディー。
驚いて先輩の顔を見ると、
「俺のお気に入りだ。」
なんて言いながら、先輩はまた前を向き直し帰って行った。
私をキャンディーを手に握りしめながら、今まで感じたことのない胸のドキドキに戸惑っていた。