゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
高原先輩のお母さん…何で私がなかなか食事がとれないって分かったんだろ。
それよりも、何で私なんかのために何かしてやりたいなんて…
高原先輩もだけど、高原先輩のお母さんも何かちょっと変わってる。
そんな事思ってる半面、高原先輩のお母さんの優しさに最近なかった…胸の奥がじわりと温かくなるのを感じた。
私は気づくと、箸を握っていた。
いつ振りだろう…学校で箸を持ったの。
私はこの先輩のお母さんが作ってくれたお弁当を食べてみようと思っていた。
あれ?…何かこの感じ、久しぶり。
食欲まではいかないけど、自分から
“食べたい”って気持ちを感じた。
「大丈夫か?…無理に食わなくても…」
「このお弁当なら…
食べれる気がするんです。」
気を遣ってとかじゃない、
本気でそう思った。
恐る恐る握った箸で、いんげんのごま和えをひと口掴む。
口にポイッと勢いよく放り込んだ。
よし、口に入れれた。