゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
いつものように屋上でのお昼ご飯。
今日は先輩に伝えたいことがあるんだ。
私は、一足先に食べ終え文庫本を開いている先輩に話しかけた。
「先輩。」
「ん?」
「あの…ありがとう…ございます。」
突然お礼を言う私に、不思議そうに首を傾げる先輩。
「私、先輩のおかげで当たり前のことが当たり前にできるようになって…すごく感謝してます。」
ご飯を食べる。
美味しいと感じる。
こんな当たり前のことが
私はできなかった。
でも、先輩がいてくれたおかげで今までなんでできなかったんだってくらい自然にできた。
1人じゃあ…きっと、今でも前と同じ食生活を送ってたと思う。
「家でも、ちょっとずつですけど…ご飯食べられるようになってきたんです。」
「そうか。よかったな。」
「私が朝ご飯食べたいって言ったら、
おばあちゃん…泣いて喜んでくれたんです。」
トースト1枚だけなのに、おばあちゃん…すごく嬉しそうに焼いてくれた。
あんな嬉しそうな顔…
久しぶりに見たんだ。