゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
ハリガネ女…
いつのころからか私はそう呼ばれるようになっていた。
ホントはこんなはずじゃなかった。
なんてことない話で友達と笑い合っていたあの頃…
いつも親友と一緒に過ごしていた頃…
同じ繰り返しの日々が毎日楽しくてしょうがなかったあの頃…
ずっとこうなんだと思ってた…。
―――――――・・・・
「今日も…利用者ゼロかな。」
またも寂しい図書室に響く私の呟き。
雨の日の放課後は、ほぼ100%って言っていいくらいの確率で図書室の利用者はない。
今日はもう帰っちゃおうかな。
図書室に来たばっかりだけど、今日はもう締めちゃおうかと思っている。
だって、今日は雨だし。
ひとりのこの時間は好きだけど、
雨の日は別。
雨の日の図書室でひとりでいるのは、
好きじゃない。
息苦しくなった感じがするから。
「よし、帰ろ。」
そう思い、Uターンしてまた図書室を出ようとした時だった。
「もう閉めるのか?」
驚いて見ると、そこには図書室のドアにすがって私を見下ろす、1人の男子が立っていた。