゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚



そんな先輩の表情を見てしまった私は、
止められなかった…



「高原先輩の優しいところとか、難しい本を読むすごいところとか、甘いものが大好きな意外なところとか…先輩のいいところたくさんあるのに…。」


「杏…?」



先輩が驚いた様子で私を見てる。


でも、私は構わず続けた。



「なんで女の子達…
外見しか見ようとしないんでしょう。
なんで、もっとちゃんと知ろうとしないんでしょう。」



先輩へ向けて聞いたはずなのに、いつの間にか自分自身と重ねてしまった。



私だって、見た目は針金みたいに細くて気持ち悪いかもしれない…根暗とか無愛想とか言われるけど、本当は違うのに…。



「なんでお前が悲しい顔するんだよ。」


「せ、先輩っ…?」



気づいたら、目の前に先輩の厚い胸板…


男の子ってこんなにがっちりしてるんだ…


あ、とくんとくんって聞こえる。


先輩の規則正しい鼓動…



って、え!?


私今…先輩に抱き寄せられて、
超密着しちゃってる??




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