゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
―――――
その日の午後の授業の前…
ちょっとした嬉しいことがあった。
―――――ドンッ。
教室移動で席を立った時、近くにいた女子にぶつかってしまった。
あ…また何か言われるっ…。
謝るより先に身構える、いつもの癖。
「…あ、ごめっ…」
女の子はぶつかったのが私だと分かると、言葉が止まった。
「あれ?里村さん…なんか、」
「…?」
「里村さん、少し太った?」
「え?」
女の子の口から出たのは意外な言葉だった。
私…太ったの?
驚いてその女の子を見ていると、周りにいたその子の友達も…
「私も思ってたんだよね。」
「だよね。太ったっていうよりも、健康的な感じになった?みたいな。」
「そう②、最近顔色も良いし、里村さんって肌綺麗だね~。」
意外にも見てるんだ…私なんかのこと。
私…太ったんだ。
というか、健康的になってきてるんだ。
「そうかな…?」
小さい声だけど、言葉を返してみた。
「うん②。なんか最近違うよね里村さん。もしかして、最近噂になってる王子となんか関係あったりするの?」
「あ、確かに!もしかして付き合ってたりするの??」
女の子達ははしゃぎながら、私と高原先輩の関係に興味を抱いて聞いてきた。