゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
そして身の入らなかった午後の授業を終えて、帰る準備をしていると…
「キャーッ☆王子だぁ♪」
「カッコイイ!」
女子達のキラキラとした視線の先には、教室の戸に手かけて不機嫌そうにしている高原先輩。
相変わらず、騒ぐ女子達に
“近づくなオーラ”を放っているものの…
「高原先ぱぁーい、
2年の教室にどーしたんですかぁ??」
甘えたような可愛い声でクラスでもボス的な存在の女子に話しかけられる先輩。
笑いもせず、無表情でその女子に先輩は、
「里村いるか…?」
「里村ですかぁ?」
「…ああ。」
私を呼んでこいと女子に言いたいらしい。
けど、そんなの簡単に流す女子じゃない。
「先ぱぁーい、最近里村さんとよく一緒にいますよねぇ?どぉゆう関係ですかぁ?」
学校中の女子が気にしていたであろう噂の確信に迫るボス。
私と高原先輩の関係…
そんなの決まってる。
…ただの先輩、後輩。
ん、もしくはご主人様とペット?
「俺と里村の関係?…秘密だ。」
え?秘密?
「おい、杏。帰るぞ。」
「あ、はいっ…。」
いつの間にか私を見つけていた先輩に呼ばれ、私は慌てて先輩について教室を出た。
ボスの視線が突き刺さったけど…。