゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「さて、その野暮ったい髪から今日でお別れだ。」
「はい?」
先輩は突然立ち止まったと思ったら、今度はそんな変なことを言う。
野暮ったい髪?
あ…この私の伸び放題の髪のことか。
むっ…野暮ったいって何よ。失礼っ。
確かに、合ってるけど。
ん?でも、さっきお別れって…?
「ほら、突っ立ってないで行くぞ。」
「はっ…はい…。」
ひとりグルグル考えてると、とある建物に先輩が入っていったのを見て慌てて追いかけた。
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「あ~、
あっくんが女の子連れてきたぁ!」
「鈴さん、興奮しないで下さい。」
「キャーッ♪それも美人さん♪」
親しげに先輩と話す女性…
すると、その人はパタパタと駆け寄ると私の顔をジッと見つめた。
近づいたその人の顔は…
「き、綺麗…。。」
思わず口に出てしまうほど、整っていて…モデルさんのようだった。
きれいな栗色のストレートの長い髪は、腰くらいまであって華奢な体つきにはすごく似合ってる。
「こんにちわ。あなたお名前は?」
鈴の音のような可愛らしい声で、
それもとびきりの笑みで私を見つめてくるその人。