゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「里村…杏です。」
「杏ちゃん?可愛い名前!」
「あ、ありがとうございます。」
「ふふ、さ!座って②♪」
返事をする間もなく、大きな鏡の前にあるチェアに座らされた。
そこで私は振り返って先輩を見た。
すると、先輩は爽やかに微笑むと…
「鈴さん、
好きなようにやっちゃって下さい。」
「OK♪まかせなさい!」
え、え?
ちょっと…先輩?
ぽっかりと口を開けている私をよそに、先輩はその、鈴さんという美人さんに無理やり部屋から出されてしまった。
「私、佑月 鈴(ユヅキ リン)。ここの美容師してるの。よろしくね♪」
私のもとへ帰ってきたその人は、鏡にうつる私に向かってそう自己紹介をした。
美容師さんなんだぁ…。綺麗…。。
「あの…私…どうなるんですか?」
恐る恐る訊ねると、私の肩に両手を乗せた鈴さんは鏡の私に向かって可愛くウインクすると…
「大丈夫!まかせて?
もっと可愛くしてあげる♪」
何故か、鈴さんの不思議なオーラに圧倒されて…私は素直に頷いていた。
鏡にうつる無造作に伸ばした長い髪の私…
もう逃げることもできないこの状況で、
私は鈴さんに期待するしかなかった。
この人ならきっと私を変えてくれる。
そう思った。