゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「あ、紹介するねこの人私の旦那さん♪」
「どーも、鈴の旦那の佑月誠二。
よろしくね。」
そう自己紹介しながら、ニッコリ笑うイケメンさんと握手を交わす。
か、カッコイイ…。
さすが先輩の伯父さん…イケメン遺伝子。
ってことは、先輩のお母さんのお兄さんなんだよね。
あ、確かに…笑ったところが似てる!
見てる人が明るくなれるようなパァ~っとした笑顔。
なんて華麗なる一族なんだ、とかなんとか考えてると…
「何かあったの?杏ちゃん。」
私の前にフルーツタルトと紅茶を出してくれたえみさん(お母さんって呼ぶのは恥ずかしい…。)が、心配そうに私の顔を覗き込む。
思わずこんなお母さんだったら、いいな…なんて一瞬思ってしまうくらい優しい雰囲気のえみさん。
でも、なんで…?
「そうそう、さっきもすごく泣きそうな顔で走ってたから…心配で呼び止めだの。」
シフォンケーキのクリームをフォークですくい取りながら、鈴さんが言う。
泣きそうになった。
他人にこんなに心配してもらうなんて、ここ何年もなかったから…。
すごく胸の奥がじわ~っと暖かくなった。
なんていい人達なんだろう。