゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「何かあったなら…話聞くわよ?」
鈴さんのふわっと微笑んだ表情に、思わずホッとする。
どうして?
どうして私なんかの話を聞いてくれるの?
「ホントに…話聞いてもらえますか…?」
申しわけなさそうにそう聞いた私に、鈴さんもえみさんも、大吾さん(先輩のお父さん)も誠二さんまで…優しく頷いてくれた。
私が口を開こうとしたときだった…
「おい、杏!」
「せ、先輩っ…。」
振り向くと、お店のドアを開けっ放しにして息を切らした先輩が仁王立ちして私の睨んでいた。
げっ…
すっごく不機嫌…。
私は唇を噛みしめ、できる限り小さくなった。
って言ったところが、小さくなれるものならこんなに恐怖を感じないよ。
あまりにも先輩が怒った様子でいるのか、周りのえみさんや鈴さん達はポカーンとしてる。
逃げたい。どうしよう。
今まともに先輩の顔を見る勇気ないよ。
先輩の顔見たら…さっきの女の子との場面を思い出しちゃう、きっと。
多分…涙が出そう。