゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
ドアの前に突っ立ったまま、
緊張気味に部屋の中を見渡す。
だってだって、
男の子の部屋とか、生まれて初めて…!
部屋の壁一面の大きな本棚。
ズラーッと並ぶたくさんの本。
シンプルな紺色のベットカバーに
木製のブラインドカーテン。
お洒落な観葉植物。
本が山積みになってる机。
こ、これが男の子の部屋…。
恐ろしく…綺麗。
あ…先輩だからか。
初めての男の子の部屋に
驚きと不思議なドキドキ感を感じていた。
「いいから、突っ立ってないで座れ。」
眉間にしわを寄せて、先輩が言う。
クールなお顔がもっとクールですよ…
はぁ…先輩怒ってる。
私が勝手に先に帰ったからって、そんなに怒らなくてもいいのに…
私だって…
すごく嫌な気持ちになったのに。
あれ…?
なんで私がイライラしてるんだろ?
先輩が私以外の女の子と居たから…?
そ、そんなことで…
も、もしそうだとしても…
それじゃあまるで…
私がヤキモチ妬いてるみたいじゃない。
ない、ない。
私なんか先輩の彼女でもなんでもないんだから。