゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「…俺か?俺…何か嫌なこと言ったか?」
先輩は優しく落ち着いた声で、
そう聞いてきた。
何か先輩、不安そうな顔…。
私には分からなかった。
…先輩の考えてることが。
先輩が何でそこまで私を心配してくれるのか。
「先輩は関係ないですよ、本当に何でもないですから。」
私らしくもなく、できるだけ笑ってそう答えた。
先輩は何も言わなかったけど、きっと私がおかしいことに気づいてるようだった。
「そうか…」
「はい…」
気まずい沈黙が続く。
耐えきれず、私は重い腰をあげ…
カバンを持つと立ち上がった。
「帰ります…私。」
「…ああ。また明日な。」
ぺこっとお辞儀をすると、そそくさと先輩の部屋を出た。
後ろ手に閉めたドアにすがると、
無意識にため息が出た。