゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
「あの子、
私に似てそういうの疎いから。」
「そういうの?」
首を傾げる私を見て、えみさんは“昔の私見てるみたい”なんて言いながら笑った。
昔のえみさん?
ますます分からんない。
「杏ちゃん、葵のこと好きなんでしょ?」
「え?…ぇえっ!?」
今…えみさん、な、な、何て??
私が先輩を…す、好き??
「そ、そんな…ち、違いますっ!」
慌てて否定するも、えみさんはすでに分かってる様子で…
そんな別に、好きとかそんなんじゃ…
あれ?好きってどんな感じなのかな…
恋したことのない私は、好きとかそういう感情がどんな感じなのか分からない。
どういうのが恋?
好きってどんな感じ?
嬉しいの?
悲しいの?
楽しいの?
苦しいの?
恋をするとどんな風になるの?
はぁ…
恋愛小説も少しは読んでおくんだったな。
後悔したところで、今どうすることもできない。
「もしかして、杏ちゃん。
…恋って初めて?」
ぐるぐると頭の中で考えを巡らせていた私にえみさんは、優しくそう聞いてくれた。
そうだ、
えみさんに聞いてみればいいんだ。