僕の上司は彼女です。

「お久しぶりです、島崎さん」


満面の笑みでそう挨拶するマリちゃんを見て“嵌められたっ!!”と思った。


だからチラッと鈴木を見たら申し訳なさそうな、気まずそうな曖昧な笑みを浮かべていた。


おい、鈴木。
俺を嵌めるとはいい度胸だ。


その思いをこめてジロリと睨むと、大袈裟にも胸の前で十字架をきる鈴木。


お前…いつからクリスチャンなんだよ…!


そんな鈴木に呆れつつも、ここで真意を確かめることもできず…。


気付かれないようにため息をつくと、俺も「久しぶりだね」と返して席についた。


だけど空いてる席はマリちゃんの隣りしかなくて、傍から見たらダブルデートさながらの飲み会となった。
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