僕の上司は彼女です。

そんなマリちゃんを見てると、胸が痛んだ。


俺には答えてやれないし、傷つけるだけだ。


フラフラ遊んできた俺に、もう彼女一筋!なんて奇跡に近いことは無理だ。


だから一歩踏み込む前に諦めてくれ。


その思いからか、スラスラと口が動いた。


「そうだなぁ…気が強くて、素直じゃなくて負けず嫌いでわがまま。

生まれながらの女王様気質で、頑固で意地っ張り。

だけど…実はすごいがんばりやさんで、根は優しくて。本当は甘えたがりですぐ泣いて…」


そこまで言って、ハッ!って気がついた。


俺………誰のこと言ってんだ…??

頭の中にいるリアルなモデルは……“誰”だ?


周りを見渡せばみんな呆気にとられてた。
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