僕の上司は彼女です。

「…好きですっ!!」


てっきり吐きそうなんだとばかり思っていたのに、まさかの告白だった。


あまりの予想外さに対応できないでいる俺をおいてマリちゃんは


「さっき言ってた島崎さんのタイプの人って…実は誰か特定の人がいるんですか?」


一番聞かれたくないことを聞いてきた。


だけど俺はその質問に、自分を納得さすかのように


「いいや、まったく!全然!」


挙動不審なぐらい全否定した。


そんな俺を見て、やっと笑顔になったマリちゃんは


「じゃぁ…マリにもまだチャンスありますよね?」


うっすら涙をためて、だけど決意は固そうな瞳で俺を見上げながら言った。


その瞳に怯み、思わず頷きそうになった。


でもまた曖昧に答えたら堂々巡りだ。
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