僕の上司は彼女です。
ミスと責任
すっかり夜も更け、日付が変わりそうなこの時間に俺は猛ダッシュ。
やっと会社に着いて、もう限界だと体中の筋肉が叫んでるけど、明りがついてる5階まで力をふりしぼって駆け上がった。
駆け上がった先には…―――応接ソファーに深く座って目を閉じてる社長。
いつもの重厚な机に座って頭を抱えてるチカ。
そのチカの前で怒り半分、青ざめ半分の橘さん。
なんとなく…いや、間違いなく重苦しい空気に満ち溢れてる中、俺は息が整わないままに声を掛けた。
「す、すいません!遅くなり…ました」
その声に顔を上げたチカと、振り向いた橘さん。
社長は相変わらず目を閉じたままで、動向を見守ってるようだった。