僕の上司は彼女です。
小刻みに震えながら俺は橘さんと見積書を交互に見た。
「た、橘さ…お、俺…!」
情けないぐらい震えて掠れた声で助けを求めたものの、橘さんも動揺を隠せないでいた。
「見積書、取引先に持ってって帰ってきたら電話かかってきたんだよ。
いつもは偉そうな部長なのにえらく上機嫌で礼なんか言うもんだからおかしいと思ったんだよ……はぁ…。
お前、これどうすんだよっ!」
どうすんだよって言われても……俺どうしたらいいんだよ…!?
『俺が間違えたんです。申し訳ありません』っつって、謝って許されるんならいくらでも謝る。
土下座だってなんだってする。
「お、俺、事情説明して謝ってきます!」
「そんなこともう俺がしてきた!」
「……えっ!?」