僕の上司は彼女です。
「…ぅえぇ!?」
突然の命令に声が裏返ってまぬけな声が出た。
「お前のミスだろが。
理玖は上司としての責務は果たしたんだ。
新人とはいえ、自分のケツは自分で拭け。いいな?」
社長の言うことは尤もで、俺は従うより他はない。
「はい、もちろんです。
橘さんもありがとうございました。それからすいませんでした」
そう言って深々と2人に頭を下げた。
「おい、チカにはないのか?
チカは見積書の再計上で朝まで残業だぞ?」
社長のその声にガバッと顔を上げ、
「チカさん!
本当にすんませんっ!!
俺に手伝えること何かないっすか!?俺何でもしますっっ!」
縋りつくように近付き懇願したのに
「帰れ!」
あっさり切捨てられた。