僕の上司は彼女です。

「辞めたいのか?」


「え?」


「会社、辞めたいのか?」


「あ、いや…そりゃ続けたいっすけど…でも、やっぱ俺のせいですし…。

まぁ、俺なんかが辞めたところで責任がとれるとは思えないっすけど…ケジメっつぅか…」


そう言うと社長は目に見えて安堵の息を吐き「あぁ、そういう意味か…」と小さく呟いて納得すると


「いや、確固たる決意を曲げて申し訳ないんだが…」と、また言いにくそうに語り始めた。


「多分…いや、そうだな…98%の確率でお前のミスは帳消しになるだろう」


「…えぇっ!?」


「今夜になれば分かる。
それに俺が大丈夫っつったら大丈夫だ。余計な…辞表うんぬんなんてことは考えなくていいから、誠心誠意謝る事に専念しろ」


男の俺でもうっかり惚れてしまいそうになるぐらいの発言力。
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