僕の上司は彼女です。
後半部分にはイマイチ納得も理解もできないでいた。
“俺が目指す会社”…ってどういうことだ??
「ま、その内分かる日がくるさ。
とりあえず、お前は後先考えなくていいから今夜の謝罪をがんばれ」
――コンコンコン……。
社長がそう言い終わるのとほぼ同時ぐらいに、タイミングよくドアをノックする音が響いた。
その音に俺と社長はドアに目をやると、ガチャ…とドアを開けてチカが入ってきた。
もう、昨夜のチカはどこにもいない。
副社長であり秘書であり…社長の彼女であるチカだ。
「社長、おはようございます。」
ツカツカと歩いて社長の近くにくると一礼して挨拶を述べ、
「新しい見積書です」
徹夜で作った見積書を社長に渡した。