僕の上司は彼女です。

やっと着いた料亭・林田に、俺はまたも顎がはずれそうだった。


多分…こんな機会がなければ一生くることはなかっただろう。


“高級”って言葉では片づけられないぐらい高級の最上級で。


日本庭園そのものの庭には竹でできてて、水が溜まるとカポー…ンてなるやつがあり。


立派な鯉がいそうな池。

その上にはこれまた立派な石の橋がかかってた。


手入れが行届いた、庭を飾る松をはじめとする植物たち。


まぬけに口を開けて佇む俺を、和服に身を包み気品溢れる女将らしき女性が出迎えに出てきた。


「女将、本日は急な申し出にもかかわらずご配慮いただきありがとうございます」


チカが駆け寄り女将に頭を下げると
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