僕の上司は彼女です。

「社長さんのお願いやったらきかんわけにはいかんでしょう??」


そう言って妖艶に微笑む女将に一瞬クラッときた。


こんな立派な料亭にはVIPしかこないだろうし、しかも何ヵ月先までも予約でいっぱいだったりする。


それを突然の電話1本で部屋をおさえれてしまう社長はやっぱりすげぇ…。


「ようこそ、林田へ。

さぁさぁ、中へどうぞ」


ニッコリ笑って奥へと誘う女将に、池内部長は『デレデレ』としか形容できない様でフラフラとついていった。


この色ボケジジィが!…と思ったが、その気持ちがわからなくもない。


大人の色気…とでも言うんだろうか。

女将のしぐさひとつ、言葉ひとつ。何を取っても品があり、艶がある。


お肌に張りがあってみずみずしくて…っていう若い女性にはだせない色気。
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