僕の上司は彼女です。

さっきまでのデレデレ顔から一変、底意地の悪い顔をしたかと思うとそんなことを言出す始末。


思わずすがるような目で俺は見てしまったけど、余計に加虐心を煽っただけでさらに屁理屈をこねだす。


「だってそうだろう?

『こちらの値段でします』って言うから、うちはそれを信じて他社さんは断ったんだ。

それを今更『間違いでした、すいません』なんて詐欺じゃないか!」


「お言葉ですが、池内様。

確かに我社のミスで、うちに非はございますが、池内様もこんな値段じゃ無理なことをお分かりのはずじゃございませんか?」


チカがピシャリッ!と言ってのけると憤慨した池内部長がいきなり立上がり


「生意気な口を…!

小娘が分かった口をきくなっ!お前達が間違えようがどうしようが知ったこっちゃない!」


そう怒鳴りあげた。
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