僕の上司は彼女です。
「我社を詐欺呼ばわりするなら、池内様のされていることは何ですかっ!」
負けじとチカが歯向かうから、隣りの俺はハラハラしっぱなしだ。
「それが謝る態度なのか!?
まったく礼儀がなっとらん!失礼にも程があるわっ!!」
とうとうキレた池内部長はチカを押し退けて部屋を出ようと一歩前に出た。
その動作が、てっきり池内部長がチカに何かするんじゃないかと思った俺はチカの前に割って入り咄嗟に庇ってしまった。
その時だった――――。
スラッ…と開いた部屋の襖から
「いやいやいや……遅れてすまない。
道が混んでて…いやぁ~まいったまいった」
なんて、呑気な声と共に社長が入ってきた。
まさかのここで社長登場!?
俺は汗が滝のように出てきた。