僕の上司は彼女です。
常磐専務の目が光る中、渡された茶封筒を受けとるしかない池内部長。
その手が心なしか震えていたのは……きっと俺の見間違いではない。
その後、仕事の話が続いていたけど女将が運んできた豪華な料理を前に、みんなの腹の虫が鳴き出したから中断した。
「ちょっと、失礼。
車を移動させてきます」
そう言って席を立った社長に俺とチカはついて来るよう言われた。
ここに来た時同様、長い廊下を歩いて玄関にでると堪えていたものが爆発したかのように社長は笑い出した。
「あぁ~…楽しいっ!!
ざまぁ見さらせ、池内っ!
うちにケンカ売ろうなんざ100万年早いわっ!!」
すっきりした~と笑う悪魔を前に、絶対この人だけは敵に回しちゃダメだ!!と肝に命じた俺だった。