僕の上司は彼女です。
そんな俺の思考がわかったのか
「お好きに飲んで?
どうせ私、運転しなきゃいけないからウーロン茶でいいわ」
飽きれながらもお許しが出た。
あ…!
そういえばチカ…飲めねぇんだったな。
新歓の日に、酔潰れたチカを抱き上げながら社長がそう教えてくれたことが頭を過ぎった。
だけどそのことは秘密らしいから言わない方がいいのか?
…まぁ、いいや。俺は飲もう!
運ばれてきたビールがゴクゴクと俺の喉を通過する頃、もうそんなことは忘却の彼方だった。
「…………ップッハ~!
う~ん、うまいっ!」
そう言ってドンッ!とジョッキを机に置くと「…親父くさ…」と横から非難の声が…。
「“チカさん”とタメだっつぅのっ!!」
…って言ったらチカは笑ってた。