僕の上司は彼女です。
その眩しい笑顔が照れくさくて真っ直ぐ見れなくて。
俺は目を逸らして机に置いたジョッキを見つめながら
「なぁ~…?」と言った。
そしたらメニューを見ながら「ん~…?」と答えるチカ。
そのやりとりに思わず…
「…ハハッ!」と笑いが出た。
そしたら勢いよくメニューから顔を上げて
「何よ?何笑ってんのよ?」って訝しがるチカ。
だけど、話たってどうにもならない昔話だから…
「いや?何でもない…」って誤魔化した。
「何よ!気になるじゃない!言いなさいよっ!」
「痛っ!脇腹をつくなっよ!」
「言いなさいよ~!」
子供みたいにムキになるチカ。
だけど…言えるわけねぇだろう?
『あの頃のまんまだな』なんて…言えねぇよ。