僕の上司は彼女です。

それでも経理部部長を任され、着々と出世街道まっしぐらだった。


ちなみに経理課主任が池内。

池内は、縁故就職ではなく外部入で入社試験はトップだったし、将来有望視されていた。


ところが…―――だ。


ある日、繁栄広告の受付の女の子が妊娠したという噂が社内に広まった。


今では普通の『できちゃった婚』も当時では珍しく未婚の母の彼女にはあまりよろしくない目が向けられていた。


それに、あろうことか…その子は現社長の孫娘で、昔から可愛がっていた子だけにも話題にこと欠かなかった。


誰が父親なのか?

社内の人間か?じゃぁそれは一体誰か…?


彼女は頑なに父親を明かさないからさらに噂が噂を呼び、尾ひれがつき背びれがつき…と話は大きくなるばかりだった。
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