僕の上司は彼女です。
社長が聞いても、親が問い質しても口を閉ざすばかりの彼女。
彼女には言えるわけがなかったんだ。
妻子ある男の子供を身籠もったなんて、言えるわけがない。
しかもそれが将来有望の池内の子だなんて―――――。
人目を盗んで池内は彼女と話したけど、彼女は「絶対産む!」の一点張り。
家庭がある池内としては彼女とのことは遊びというか出来心だったため本当に困った事態で、途方に暮れていた。
父親探しに会社中が目を光らせていて誰にも相談もできず、1人で抱え込んでしまい仕事でもミスが目立つようになった池内。
その時、声をかけてくれたのが今の常磐専務だ。
1人で抱え込んで誰にもうち明けれず…もう限界だったのだろう。
池内はすべてを常磐専務に話した。