僕の上司は彼女です。
もちろん大倉係長に限らず、男性既婚者にしたらこの事態は由々しきものだろう。
家族を養っていくってだけでも大変なのに、住宅ローンを抱える人も少なくないわけで…。
なんだか明日からここにいるみんなとは職安で会えるような気がするなぁ…。
なんて、絶対口に出しては言えないブラックジョークを飲み込むと、俺は荷物の整理を始めた。
でも…俺もマジでどうしよう…。
島崎恭介、28歳。
夢なし。
彼女なし。
…職もなし。
やべぇ…。
全然笑えねぇ…!
荷物を整理する手を止めて、ため息ひとつ。
6年ぶりの就活か…。
あの頃の若さも活気もありゃしねぇ。
大体、6年前にはあったはずの将来の夢や希望なんて社会経験を積んだ今じゃ湧く気配すらない。
もう…ダメだ…。