僕の上司は彼女です。

「………??」


「『やれ天才だ、鬼才だ!なんてもてはやされてりゃ誰でも天狗になるよ。

だけど俺が天狗にならず驕らず、雑な仕事をしなくてすんだのはあの職場にいたからだろうな。

馬鹿にされたくない!とか、隙を見せちゃいけない!つけこまれちゃダメだ!って思って必死だったよ。

仕事の悔しさは仕事でしか晴らせないんだ。悔しかったら見返してやればいいんだ、仕事でな』…ですって。


そんな社長に憧れて建築家志望の子はうちにくるけど、そういう子ほど辞めてくの。

『社長の弟子になりたい』とか『社長に習いたい』

そんな思いでくる彼らは自分に多少なりの自信があってくるわ。

社長みたいに学生コンテストでそこそこな成績残してる子とかね」
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