僕の上司は彼女です。

「だから“長続きしない会社”って噂は本当だけど、別に社長が鬼のように怖いとか新人に仕事を教えないとかってわけじゃないのよ?」


「わかってるよ。

俺も一応その噂の会社で働いてんだし…」


「あ、そっか。そうだったわね…アハハ!」


社長って……マジですげぇなぁ…。


別に最初から勝負しようなんて思ってないし、俺なんて眼中にないだろうけど………俺、完敗だ。


何の敗北感かわかんねぇけど、やるせないブルーな気持ちと一緒に残りのビールをグイッと飲んで机にグラスを置くとチカと目が合った。


胸がドキッとして、喉がゴキュッて鳴って…目を逸してしまった。


気まずい雰囲気を変えようと会話を探したけど何も浮かばず…。
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