僕の上司は彼女です。
「……………何だよ?
何でそんな顔してんだよ?」
チカは観念したのか小さく息を吐くと、「もう時効だよね…」と前置きしてから重い口を開いた。
「6…いや、7回かな?」
「…??何がだよ?」
「大学の前でまちぶせされてた数」
「……??」
「見た事も話した事もない女の子が門のとこで私を待ってるの。
ツカツカツカ…ってやってきてみんな同じことを言うの。
『あんたが恭介くんの彼女~?』って。
『ねぇ、別れてくんない?』って」
「………!?」
「先輩にサークル仲間の子、それから…プロのお店のお姉さんとか??」
「…えぇ!?」
「顔“だけ”は良いからね~…?」
“だけ”を強調して、うんざりと言わんばかりに俺の顔を見た。