僕の上司は彼女です。
恋の終わり

ザワザワ、ガヤガヤ…。

騒がしい店内で鮮明に聞こえた声。

俺を呼ぶ、少し震えた声。


その声がする方にスローモーションのようにゆっくりと顔を向けたら…


「…マリ…ちゃん…」


涙をうっすらためた目でカウンターに並んで座る俺とチカを交互に見つめるマリちゃんがいた。


まさかの登場にちょっと慌てふためいていたら横に座っていたチカが瞬時に状況判断をして…


「あら、島崎。
かわいい彼女ね」


ニッコリ笑ってそう言うとマリちゃんを見て


「初めまして、島崎の上司です。

得意先の帰りに飲みにきただけだから誤解しないでね?」


そう先手を打った。


俺とチカを見て誤解してたんであろうマリちゃんは、チカのその言葉を聞いて沈んでた顔がみるみるうちに晴れていった。
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