僕の上司は彼女です。
昼間の暑さがまだまだ引かぬ蒸し暑さの中、俺たちは何度目かのマリちゃんちまでの家路を歩いていた。
お互い無言で、どうきりだせばいいか…と考えてる間に昨日と同じ曲がり角まできてしまった。
昨日と違うのは、先に足を止めたのが俺だということぐらいで。
俺が止まったから、それに合わせて数歩後ろで止まったマリちゃんに振り返ったらマリちゃんは俯いていた。
その姿にこれから言う言葉を一瞬躊躇ったけど、何とか自分を奮い立たせて口を開いた。
「マリちゃん、昨日ここで告白してくれたのに放ったらかしでごめん」
「………うん」
「マリちゃん可愛いし、すっげぇ嬉しいんだけど……ごめん」
ペコリと頭を下げた俺に、マリちゃんは無言だった。