僕の上司は彼女です。
「どうして…??」
俺の返答にわけがわからないって顔をしてきくマリちゃんにクスッて笑いがでた。
「散々泣かせて傷つけて、彼女が傷ついてることにも気づかずに別れた男の顔なんか見たくもなかったんじゃないかな。
もう昔の話だと忘れかけてた頃に、何の因果かひょっこり入社してきて迷惑ばっかかけられる俺にうんざりかも」
そう言って自嘲的に笑った俺にマリちゃんが
「いっぱい泣かせたんなら、絶対心に残ってますよ。
マリも……前の彼氏にいっっぱい泣かされたから…。
今もまだ気持ちがあるなんてことは絶対ないですけど、たまに思い出します」
意外なことを言うから
「何を思い出すの?
思い出してむかついたりしないの?」
ほんのちょっと真意が気になってきいてみた。