僕の上司は彼女です。

走って殴って叫んで…尚且、怒りで感情が高ぶって息が荒い俺を見据えた社長は、俺に殴られて血がでた口端を押さえながらユラリ…と立ち上がると…


「…言いたいことはそれだけか?島崎。

俺にも言いたいことはあるが……とりあえず歯ぁ食いしばれっっ!!」


……って言い終わる前に既に『バキッッ!!』って派手な音を立てて殴られた。


もうその後は………殴り合いだった。


『幸せにしろ!』って何回も言いながら社長を殴る俺は………本当に馬鹿だ。


だけど…腕を絡めて歩く社長の姿が、自分に重なったんだ。


チカじゃない女の子とラブホに消えて行ったあの頃の自分に見えたんだ。

俺と同じ過ちを繰り返してほしくなくて…。

もうチカを泣かしてほしくなくて…。
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