僕の上司は彼女です。
お互いハァハァ…言って息はきれてるし、服はボロボロだし。
顔は傷だらけだし、手は痛いし…。
足なんかフラフラのヘロヘロなのに、ファイティングポーズを崩さない俺たち。
「……あ、もしもしチカ??
今ね、チカの元カレくんが勘違いでうちのダーリン殴ってくれちゃってんだけど……どうしてくれる??」
さっきまで社長の腕に絡み付いてた女の声が俺たちの…俺の動きと思考を止めた。
「……………え??」
「………この、大馬鹿野郎が…!!
そんな大事なことは俺を殴る前にチカに言え!!」
その場に座り込む社長の言葉にとどめをさされた。
「あぁ、うん。じゃぁまってるから」
そう言ってパチンと携帯を閉まった女の人は俺に向き直ると…