僕の上司は彼女です。

「………大分煮詰まってんね、恭介」


その声に顔を上げれば、平岡さんだった。


どうやら俺はいつしか下を向いて、うんうん唸りながら悩んでいたようだ。


そのまま2人で居酒屋に入り、電話では伝えきれなかった愚痴とも言える俺の近況を話した。


やっぱり平岡さんは前の会社が倒産したことを知って連絡してきてくれたらしい。


なんていい人なんだ……って、この時は思ったのになぁ…。


「じゃぁ…つまりお前は7社も受けて7社共全滅なんだ?」


「そうっすよ~…。
かなりヘコみますよ~。
もうどこでもいいから受かんねぇかなぁ~??」


そう言ってうなだれる俺の横で平岡さんは何やら思案顔だった。


そんな平岡さんは放っといてグビグビ飲んでいると、突然!
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