僕の上司は彼女です。
「俺にしか…?」
泣いてるのが恥ずかしくて俯いてたのに、社長のその言葉にそんなことも忘れて顔を上げてしまった。
「あぁ、そうだ。
チカの傷を癒せるのも、チカの背中を押してやれるのも…お前だけだ」
「そうよ、恭介。
『失恋を忘れるには次の恋』って言うでしょう?
でもチカに次はないから。
あんたしかいないから、あんたにしか癒せないのよ」
社長と姉ちゃんの言葉が胸に沁みた。
「俺…!俺、絶対チカを幸せにします!
もう2度泣かせませんっ!それからチカに…ちゃんと言います!」
固い決意を表すかのように立ち上がると、2人に深々と頭を下げた。
「そうか。それなら俺も殴られた甲斐があったよ……ハハ!」