僕の上司は彼女です。
「本当よね、男前の一志の顔が台無しよ~。
恭介?次にチカを泣かすようなことがあったら…あんたの顔、原型止めないぐらい殴ってやるから!覚えときなさいよ!?」
2人のエール(…脅迫?)を背に俺は玄関に向かった。
「ちょ、ちょっと、恭介?
チカももうすぐくるのにどこ行くのよ?
めでたいこと続きなんだしみんなで飲みましょうよ~?」
そう言って姉ちゃんは玄関で靴を履く俺を追いかけてきてくれたけど
「じっとしてれねぇ…。
早く会って伝えたいから下で待ってる」
そう言って、恥ずかしいからそそくさと社長宅を出た。
下に行くエレベーターの中で、何度も光る階数表示を見上げた。
早く…!
早く、チカに会いたいっ!