僕の上司は彼女です。
未だ向けられてる背中も、ちょっと強がりな言い方も。
チカらしくて笑える。
「何もねぇよ。
俺の頭ん中お前しかいねぇのに、あの子とどうこうできねぇよ」
チカの肩がピクッて動いたて、恐る恐るこっちを向こうとしたから後ろからギュッて抱き締めた。
「…つぅか、お前もちゃんと聞けよ。
俺がはぐらかしても、お前がおかしいとか怪しいとか思うんなら食い下がってきけよ。
納得するまで、解決するまでちゃんと聞け。
『離れていくかも』とか『終わっちゃうかも』とか、余計なこと考えんな」
「だって…!」
「離れねぇから。
どんだけケンカしたってお前から離れねぇよ。
お前と……離れること以上に辛いことねぇから」