僕の上司は彼女です。
宥めるようにそう言われたチカは、“渋々”といったように了承した。
「島崎。
こちらは我が社のブレイン、チカだ。
中枢って言っても過言じゃねぇぞ?何せ、チカで会社が回ってるようなもんだ」
「おだてたって何もでませんし、“貸し1”ですからね?社長」
褒めちぎる社長を冷た~い目と言葉でピシャリと言い放つチカ。
「………っと、まぁ、このように気も強く容赦ない女帝ですが…」
小声で続ける社長に、俺は心の中で何度も頷いた。
「仕事は確かだ。
正確さも早さも何でもがピカイチだな。
そんなチカに教えてもらえるなんてそうそうないんだぞ?
だからわからないことは何でも聞いて、チカのいい所はいっぱい盗んで吸収しろよ」