僕の上司は彼女です。
ちょっと自分を惨めに思いながらコピーをとってチカの元へまた戻ると
「遅い!!
チンタラしないで!」
って怒られた。
俺が遅いんじゃなくて、コピー機が遅いんだ!…って言ってやりたいが、グッ!と堪えて平謝り。
そんなこんなで。
この日を境に、俺はチカにこき使われる毎日を送るようになった。
それと同時にそのことを知った橘さんやリフォーム課の先輩。いや、この本社のみんなが驚愕と羨望の眼差しで俺を見るようになった。
だけど…。
はっきり言って、チカに教わるのはもう嫌だ。
チカは本当に容赦がない。
寛容とか慈悲とかもない。
「島崎くん。
私、ちゃんと指示したよね?
わからないならわからないってその場でいいなさい」