僕の上司は彼女です。

それに俺ももういい歳だ。


いい加減、適当な付き合いばかりを繰り返すのも止めないとな。


なんて、まるで頭の中で天使と悪魔がケンカしてるかのように良心と下心がせめぎ合う。


そうやって頭の中でグルグル考えて何の反応も示さない俺を、返答に困ってるんだと思ったマリちゃんが


「突然ごめんなさい!
いきなり迷惑ですよね、すいません…」


悲しそうに顔を歪めてそう謝ると、背を向けて帰ろうとするもんだから慌ててその細い腕を掴み


「ごめんごめん!

こんな可愛い子にそんなこと言われて放心してただけ」


なんて、いつものように軽口をたたいてしまった。


あぁ…俺は、本当に進歩のない大馬鹿野郎だ――――。
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