僕の上司は彼女です。

人間誰しも、好意を持たれてるというのは嬉しいもんだ。


俺もマリちゃんは可愛いと思うし、もちろんのこと好きだ。


でも…マリちゃんと同じ“好き”ではないことがわかってる。


だから手は出さないし、出せないし。


マリちゃんの気持ちに100%答えてあげれないなら出したらダメだ。


余計に傷つけるだけだ。

俺がマリちゃんの気持ちを受け止めれるなら傷つかないだろうけど、そんな自信は………正直ない。


だから厄介なんだ。


“気持ち”が絡むと人は欲張りにもなるし醜くもなる。


そんな思いをすることなく、マリちゃんには幸せな恋愛をしてもらいたい。


………って、俺何様だよ!?って感じだな。


思わず苦笑いがこぼれ、胸ポケットからタバコをとりだすとガードレールに寄り掛かって火をつけた。
< 94 / 268 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop