僕の上司は彼女です。
会話を聞かれんのは嫌だけど、彼女と話したくて近くの公衆電話によく走ったもんだ。
そうやって彼女に電話しても、彼女の家の電話にかけるわけだから親が出ると緊張した。
たまに予想外で親父さんが電話に出た時はビックリして切ったことも何回かあったな…。
普通にイタ電だな…。
それにしても…今も昔も恋愛って…めんどくせぇな。
便利な世の中になって携帯で回線は繋がっても、心までは繋がれねぇんだよな。
もし、この携帯の通話ボタンひとつで誰かの心と繋がれるなら……
誰と繋がりたい――――?
そんな馬鹿みたいな自問にボンヤリ浮かんできそうな“誰か”の顔を頭をふって追い払った。