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お告げ
時刻は、深夜12時を過ぎようとしている。
私はカウンター越しに座る常連客に相槌をうちながらも、いい加減、酔っ払いの話を聞くことに飽き飽きしていた。
(それ、先週も聞いたし…)
なんてことは、とても言えない。
言えるものなら言いたいのだけど。
その代わりに、私は今日の一番であり最後の営業スマイルで、酔いが回ってすでに傾いている彼に優しく言った。
「ユージさん、今日も楽しかったわ。
タクシー呼ぶから、着くまでもう少し飲みましょうよ」
どんなに甘く囁いたって、届いてやしないんだろうけど。
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